職場の選び方
介護士の職業病ともいわれている「腰痛」ですが、人手が不足していることもあり「腰痛という理由では休みにくい」「痛みが少しだから休めない」などの理由で療養もままならず働き続けて症状が悪化してしまった人もたくさんいます。
環境を変えてしまうのもひとつの方法
腰痛の症状が悪化しているにもかかわらず、なかなか職場の理解が得られないようなら思い切って働く環境を変えてしまいましょう。寝たきりの要介護者よりも介護度が軽く比較的自立している人が多い施設なら腰に負担がかかる動作も少ないのでおすすめです。
介護老人保健施設とグループホーム
要介護者が在宅復帰を目指してリハビリをメインに行っている介護老人保健施設には専門的な知識を持つ看護師やリハビリを主導する理学療法士がいたり、腰痛の対策委員会があったりと他の介護施設に比べて腰への負担が少ない環境で働くことができます。また、設備が整っているグループホームも腰に負担がかからないのでおすすめです。特に新しい施設は浴室を広く取り、機械浴などの設備を設置していることが多いので中腰などの無理な態勢で入浴介助をすることはありません。さらに、グループホームは特別養護老人ホームのように介護度が重度の人が少なく、一緒に料理したり買い物に行ったりと身体を使う介護よりも声掛けなどで対応することが多いです。
リハビリデイサービス
リハビリデイサービスとは入浴がないデイサービスのことです。午前と午後に分けてリハビリを中心とした介護を行っていますが、自立度が高い要介護者が多いので介助よりも見守り対応をすることが多いです。
腰痛に対して配慮してくれる施設
腰に負担がかかる業務が少ない介護施設はいくつかありますが、腰への負担がまったくゼロになるわけではありません。施設形態や設備の充実さも大切ですが、一番大切なのは「腰痛のある職員に対してちゃんと配慮されているかどうか」ということです。たとえば仕事量を調節したり、ある程度の期間、腰に負担がかからない業務や自分のできる範囲の業務のみにしてくれたりなど、施設側で配慮してくれれば腰に負担をかけずにそのまま働くことができます。
キャリアを変える、という方法も
資格が必要にはなりますが、サービス提供責任者やケアマネージャー、生活相談員などにキャリア変更するのもひとつの方法です。これまで培ってきた介護の経験や知識を活かしながらより良い待遇で働くことができますし、一時的とはいえ、腰に負担がかかる現場から離れることになるため症状が改善する可能性があります。