国が行っている腰痛を予防する取り組みとは?

つらい腰痛に悩む介護士へ

腰痛予防の取り組み

腰痛を引き起こす介護士が多く、離職理由として挙げている人も多いことから、厚生労働省では平成25年に「職場における腰痛予防対策指針」を19年ぶりに改訂しました。ここでは改訂に至った背景と予防への取り組みを詳しく紹介していきます。

腰痛予防の取り組み

腰痛の労災申請が可能に

介護士の6割が腰痛を理由に労災を適用しており、なおかつここ10年間の腰痛の発生割合が2.7倍に増加していることを受けて、腰痛の予防対策が必要であるとして厚生労働省が平成25年に「職場における腰痛予防対策指針」の改訂に19年ぶりに踏み切りました。
この指針では、適用範囲を従来の「重いものを取り扱う事業」から介護・福祉分野にまで拡大するだけでなく、腰に大きな負担がかかる抱きかかえや移乗介助を原則として人の力で抱き上げることを禁止し、リフトなどの介護機器を利用することなども盛り込まれました。やむを得ず人の力で要介護者を抱きかかえなければならない場合の対応策も「できるだけ適切な姿勢で身長差の少ない2名以上で作業する」ときめ細やかに明記されています。

労災の申請には施設の協力が必要不可欠

介護士の中には「腰痛では労災の申請が難しい」と考えている人がまだたくさんいます。先述したように、労災の申請が可能なのは「要介護者の移乗の際に腰を痛めた」「無理な姿勢でものを持ち上げようとした際に腰をひねった」など、災害性の要因がはっきりと分かっている場合です。「何年も重いものを持ちながら低姿勢で仕事をしていたら腰痛を発症した」のように非災害性が要因の場合は認定が厳しくなります。
労災として認定されるためには、「本人の不注意によるものではなく勤務中の事故であること」「職業病的要因が強いこと」を証明しなければなりません。そのためには施設側の協力や理解が必要不可欠です。

腰痛対策を行っている施設は5割程度

全国の介護施設のうち、腰痛対策を行っている施設は5割、職員の負担軽減のために福祉機器や福祉用具を活用している施設は2割、と腰痛の予防対策に取りかかっている施設はそれほど多くないのが現状です。
高齢化社会がすすんでいる今、介護士不足が大きな問題となっていますが、ただでさえ人手不足で現場の介護士一人一人の負担が大きくなっているのに具体的な腰痛の予防対策が取られていないとなると、腰痛を発症しても不思議ではありません。ですが、せっかく取得した介護職の資格やキャリアを失うのはもったいないことです。介護士自身のセルフケアだけでなく、施設や国が率先して職場環境の改善に取り組むことが大切なのです。休めるときに休める職場環境作りを目指しましょう。

腰痛に悩んでいる人におすすめ

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腰痛リスクを減らすために

今や職業病ともいわれるほど多くの介護士が悩んでいる腰痛。事前に腰痛の予防策を講じておくことで引き起こすリスクを減らすことはできますが、職場環境が悪くなかなか改善に至らないようなら思い切って転職することをおすすめします。転職のコツも一緒に紹介していくので参考にしてみてくださいね。
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