予防や改善方法
介護の仕事を続ける限り腰痛のリスクは避けることができませんが、あらかじめ予防することで腰に負担をかけるリスクを減らすことはできます。ここでは腰痛の予防として効果的な【ノーリフト】【ボディメカニクス】【腰痛サポートグッズやストレッチ】と介護士の負担軽減に効果的な【介護ロボット】について詳しくまとめていきます。介護ロボットは導入コストがかかってしまいますが、介護士の負担を減らすだけでなく要介護者の心理的ストレスも減らすとして注目を集めています。
-
「ノーリフト」の考え方
腰痛を予防する方法のひとつ、ノーリフトについて詳しくまとめていきます。要介護者を移乗する際の抱きかかえが、介護士が腰痛を引き起こす原因のひとつだと考えられていますが、アメリカやヨーロッパでは人力による抱きかかえは危険だとして、移乗用リフトなどの福祉用具を積極的に導入して人力に頼らないノーリフトにシフトしています。日本でも2008年ごろから徐々に浸透してきていますが、福祉用具を利用することだけがノーリフトではありません。身体の使い方を工夫することで力に頼らない介助を実践することができます。
-
「ボディメカニクス」を取り入れる
介護士だけでなく要介護者にも負担が少ないとして注目を集めているのがボディメカニクスです。ボディメカニクスを応用することで余計な力を入れずに介助の動作を行えるので腰にも負担がかかりません。ここではボディメカニクスの一例として、腰に一番負担がかかる移乗介助を、力を入れずに安全に行える動作を紹介していきます。腰を低く落として身体を安定させたり要介護者と自分の重心を近づけたりすることで力任せにしなくても十分に移乗介助が可能です。
-
腰痛予防の工夫とストレッチ
腰痛にならないためには自分で対策しておくことも大切です。たとえば、骨盤ベルトや腰をサポートするグッズで腰の位置を安定させたり、自分でできることは自分でやってもらうなど要介護者に協力してもらったりすることである程度防ぐことができますし、腰の筋肉が固まってしまわないようストレッチすることも効果的です。机やいすを使って筋肉を伸ばすストレッチは自宅でも簡単にできるのでおすすめです。ここでは身体の部分ごとのストレッチも紹介していきます。
-
介護ロボットを導入する
人手不足を解消する方法として介護ロボットに大きな注目が集まっています。介護ロボットはまだ発展途上の分野なので明確な定義は決まっていませんが、人手不足を補う、介護士の負担を軽くする、といった理由で導入する介護施設も増えてきています。介護ロボットは介助分野ごとにタイプが違いますが、ここでは腰痛リスクが高い移乗介助をサポートする介護ロボットの一例として【マッスルスーツ】と【リショーネPlus】も一緒に紹介していきます。