介護士の悩みは職業病ナンバーワンの腰痛

つらい腰痛に悩む介護士へ

職業病第1位

日本人の4人に1人は腰痛の経験があるといわれていますが、介護業界でも腰痛に悩んでいる人はかなり多くいます。ここでは介護士が腰痛を引き起こす原因を紹介していきます。

職業病第1位

腰痛は介護士の「職業病」

厚生労働省が2015年に行った「業務上疾病発生状況等調査結果」によると、4日以上の休みを必要とする職業病の割合は負傷や熱中症などではなく腰痛が60%と一番大きな割合を占めていることが分かりました。ですが、このような結果が出たからといって腰痛を改善しようとしている様子はなく、むしろここ10年で腰痛が理由で仕事を休んだ人の数は2.7倍にもなっています。
腰痛は個々の問題の思われがちですが、仕事が原因で起こった腰痛に対する直接治療費が821億円にまでのぼり財政的にも大きな問題を抱えています。

介護職はなぜ腰痛が起こりやすいのか

腰痛が起こりやすい職業といえば、立ち仕事が多い接客業や同じ姿勢で座っているデスクワークが思い浮かぶかもしれませんが、割合で見てみると商業や金融、広告業が19%、製造業が16%なのに対し、介護業界を含む保健衛生業が24%とかなり上回っています。これは他の職業に比べて介護士の仕事には中腰になったり腰をひねったりする動作が多く、腰に大きな負担がかかっているからです。

体格や構造上の問題もある

腰痛を引き起こすリスクを高める要因のひとつに体格の問題があります。介護士自身の筋力が弱い場合は力を入れながら動作をすることが難しくなる分、腰への負担もかかりやすくなりますし、「浴槽の淵の位置が高い」「ベッドに高さがある」「トイレが狭い」など施設の構造に問題がある場合はさらに不自然な体制で行わなければならないため、腰痛のリスクも高くなります。

経験年数も関係ある

腰痛を引き起こすのは若い人よりも勤務経験が長くある程度ある人だと思われがちですが、20代で腰痛に悩んでいる人は決して少なくありません。特に、介護職の経験が3年以内とあまり経験のない人だと介護の正しい技術をまだ身につけておらず力業に頼ることも多いため、腰痛を引き起こすことが多いです。

人手不足も腰痛の一因になる?

介護職は離職率が高い職業ですが、離職理由を見てみると「給料が低い」という一般的な理由よりも「腰痛」を利用に挙げている人の方が多くなっています。身体を酷使する仕事が多いため、腰痛になるのは仕方がないかもしれませんが、実は社会的ストレスや心理的ストレスも腰痛を引き起こしたり悪化したりしやすいといわれています。介護業界は全国的に人材不足が続いており、2025年には約34万人の職員が不足するといわれています。人手が足りないとどうしても一人一人の負担が大きくなってしまうため、ただでさえ高い腰痛を引き起こすリスクがさらに高まる可能性があります。

腰痛に悩んでいる人におすすめ

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腰痛リスクを減らすために

今や職業病ともいわれるほど多くの介護士が悩んでいる腰痛。事前に腰痛の予防策を講じておくことで引き起こすリスクを減らすことはできますが、職場環境が悪くなかなか改善に至らないようなら思い切って転職することをおすすめします。転職のコツも一緒に紹介していくので参考にしてみてくださいね。
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